会長 稲津 秀樹からのご挨拶
あなたが、ここまで歩んできたことに、敬意を表します
あなたは今まで、どれほどの不安と戦ってこられたでしょうか。
どれほどの恐怖に、ひとりで震えてこられたでしょうか。
周りと同じようにできないことで自分を責め、絶望の淵に置かれているように感じ、パニックや不安に襲われ、世界がすべて敵に見えた日々――
そんな時間を経て、それでも今日、このページにたどり着いてくださったあなたに、私は心から敬意を表します。
私は、くぅぽの心理オフィスグループの初代理事長であり、現会長を務めております 稲津 秀樹(いなづ ひでき) と申します。
心理臨床の世界に身を置いて、 今年でちょうど30年 になります。
心理アセスメントを担う「AS心理士」 、そして 後進の心理士を指導・育成する「SV(スーパーバイザー)心理士」 という立場で、これまで数多くの臨床に向き合い、また数多くの臨床家を育ててまいりました。
そして40歳のとき、私は 初期仏教の僧侶 にもなりました。なぜ心理士である私が、僧侶という立場をも選んだのか――その理由は、後ほど少しだけお話しさせてください。
これまで本当に多くの方々と出会い、多くの物語に立ち会わせていただきました。涙を流す方、震える方、長い沈黙の中にいる方――その一人ひとりが、私にとっての師でもありました。
その経験のすべてを言葉に紡いで、これまで何冊かの著書も世に送り出してまいりました。 『幸せな自由人とまじめな不自由人』 や 『神様のアドバイス』 といった著作です。なかでも 『神様のアドバイス』 は、ありがたいことに Amazon 部門別ランキング1位 をいただくこともできました。
しかし、本に書いた言葉よりも、私が一番お伝えしたいのは――
目の前にいる、あなたへの言葉 なのです。
自己肯定感を取り戻すには、まず「ありのまま」から
カウンセリングに来てくださる方の多くは、来られる前に、何度もご自分を責めてこられた方々です。
心理学の世界には 「自己受容(Self-acceptance)」 という概念があります。これは、欠点も含めた自分自身を、評価や条件をつけずに受け入れる力のことです。
数々の心理学的研究において、 自己受容は、自尊感情(self-esteem)以上に、長期的な精神的健康やレジリエンス(回復力)と深く結びついている ことが報告されてきました。
つまり、 「できる自分を好きになる」のではなく、「できない自分も含めてそのまま認める」 ことのほうが、人を本当に楽にしてくれるのです。
ですから私は、最初にいつも、こうお伝えしています。
私たちのグループの名前 「くぅぽの」 は、ハワイ語で「ありのまま」を意味します。
この一語に、私の30年の臨床から得たすべての答えと、心理学が示してきた人間理解の本質が、込められているのです。
「普通」の物差しに、苦しめられてきたあなたへ
私がくぅぽの心理オフィスグループを設立しましたのには、ひとつの強い想いがありました。
それは、現代社会の 「普通」という物差し に弾かれ、居場所を失われた方のための、 「最後にして最高の安らぎの場」 を、この日本につくることでした。
30年の臨床のなかで、私は何度も目にしてまいりました。
- 発達の特性があるから――「変わっている」と笑われる方
- 不安が強いから――「気にしすぎ」と切り捨てられる方
- 学校に行けないから――「怠けている」と責められるお子さま
- 生きる気力が湧かないから――「甘えだ」と突き放される方
そんな理由で、その人の輝かしい命の価値が、社会から否定されてしまうことが、私はたまらなく悲しく、また、悔しく感じてまいりました。
人間性心理学の創始者カール・ロジャーズは、 「無条件の肯定的関心(Unconditional Positive Regard)」 こそが、人が変容し成長するための土壌であると説きました。
私もまた、30年の臨床のなかで、これと同じ結論にたどり着きました。
人を変えるのは、説教でも、訓練でも、矯正でもありません。「あなたはそのままでいい」という一貫したまなざしこそが、人を内側から動かすのです。
著書 『幸せな自由人とまじめな不自由人』 の中でも書かせていただきましたが――
世間の「正しさ」や「真面目さ」に縛られて生きるよりも、自分の心に正直に「ありのまま」を選ばれた方のほうが、ずっと自由で、幸せな人生を歩んでおられる。
これは、私が30年の臨床のなかで、何度も目にしてきた事実なのです。
この真実を、ただの理想論ではなく、 臨床の場で、確かな成果として証明してまいる 。そのために、私はこの場所をつくりました。
私たちは、母なる海でありたい
私たちの心理カウンセリングは、母なる海のようなものでありたいと願っております。
波が荒れる日もあれば、深く静まり返る日もあります。
しかし海は、そのすべてを拒まず、飲み込み、包み込むものです。
愛着理論を確立した精神科医ジョン・ボウルビィは、 「安全基地(Secure Base)」 という概念を提唱しました。
人が外の世界に挑戦していくためには、 「ここに戻れば必ず受け入れてもらえる」という確信を持てる場所 が、不可欠なのだ、と。
くぅぽの心理オフィスグループは、まさにそういう場所でありたいと思っております。
不安症や恐怖症、不登校、発達障がい、うつ病――
それらは、あなたの「ダメなところ」では、決してありません。
あなたが、この世界を 人一倍豊かに、人一倍繊細に感じ取っている証 なのです。
本来の愛は、条件付きのものではありません。
「何かができたら愛する」 のではなく、 「あなたがそこにいるから、愛する」 ――その温もりに触れたとき、人は初めて、自分の力で立ち上がる勇気を取り戻すのだと、私は信じております。
心理学だけでは、答えきれないこともある ― 私が僧侶となった理由
30年の臨床を重ねるなかで、私はあるとき、ひとつの大きな問いに直面しました。
――心が極限まで疲れ切った方々から、こうした問いを投げかけられたとき、私は気づいたのです。
心理学は、心の仕組みを解き明かす素晴らしい学問です。けれど、「命そのものの意味」を問われたとき、エビデンスだけでは、お答えできない領域があるのだ と。
科学は「どう」を説明することはできても、「なぜ生まれ、なぜ生きるのか」という根源の問いには、別の言葉が必要でした。
40歳のとき、私は海を渡り、 初期仏教(テーラワーダ仏教) の門を叩き、僧侶となりました。
これは、2500年前のブッダの教えに最も近いとされる、最古の仏教の一派です。葬儀でも、日本的な宗教儀式でもありません。
「生きるとは何か」「苦しみとは何か」「心とはどう働くのか」 ――人間そのものを、徹底的に見つめる仏教です。
近年、心理学や脳科学の世界で広く活用されている マインドフルネス も、もとをたどればこの初期仏教の ヴィパッサナー瞑想 の智慧から生まれたものでした。
つまり、 科学と仏道は、決して対立するものではない のです。むしろ、互いに補い合う関係にあると、私は感じています。
私が僧侶となったのは、宗教を布教するためではありません。
心理学のエビデンスでは届かない「命の領域」にも、責任を持って寄り添える人間でありたかった ――ただ、その一念からでした。
ですから、ご相談に来てくださる方に、私から仏教の話をすることはありません。
ただ、もしあなたが「命の意味」について深く悩まれたとき――その問いを、私は逃げずに受け止めます。
心理学者として、そしてひとりの僧侶として。
最後に、あなたへ
暗闇は、ずっとは続きません。
夜が明けるまで、私が、そして私たちが、あなたの隣でずっと見守ってまいります。
あなたの心が、いつか柔らかな光で満たされ、自分自身を愛おしく思えるその日まで――
どうぞ、安心して歩んでいらしてください。
稲津 秀樹 プロフィール
| 氏名 | 稲津 秀樹(いなづ ひでき) |
| 立場 | くぅぽの心理オフィスグループ 会長(初代理事長) AS心理士(アセスメント心理士) SV心理士(スーパーバイザー心理士) 初期仏教(テーラワーダ仏教)僧侶 ※40歳にて出家 |
| 臨床経験 | 30年 |
| 専門領域 | 心理学に基づく不安症・恐怖症、発達障がい、不登校、うつ病の臨床 |
| 著書 | 『幸せな自由人とまじめな不自由人』 『神様のアドバイス』(Amazon 部門別ランキング1位) |
| 後進育成 | SV心理士として多くの臨床家を育成。 現在の中山和子理事長も、稲津のもとで心理学を学んだ一人 |
AS心理士・SV心理士という立場について
- AS心理士(アセスメント心理士) ―― 心理アセスメント、すなわち「心の状態を多角的に見立てる分析」を担う立場の心理士です。深い知識と長年の経験を積んだ熟練の心理士のみが担うことのできる立場です。
- SV心理士(スーパーバイザー心理士) ―― 他の心理士を指導・育成する立場の心理士です。長年の臨床経験と、後進を導く力量を兼ね備えた者だけが担うことのできる立場です。
理事長 中山 和子からのご挨拶
会長の想いを受け継いで
はじめまして。
くぅぽの心理オフィスグループ理事長の 中山 和子(なかやま かずこ) と申します。
私は 医師 として、これまで数多くの臨床の現場に立ち会ってまいりました。
そして現在は、医師としての知見に加え、 AS心理士(アセスメント心理士) という立場で、お一人おひとりの心の状態を、医学と心理学の両面から見立てる役割も担わせていただいております。
身体の痛みを取り除くことと同じくらい、いえ、それ以上に、 心の痛みがどれほど人の生きる力を削いでしまうか を、身をもって痛感してまいりました。
そんな私が、心理臨床の道を本格的に歩むきっかけとなりましたのは、 稲津秀樹会長との出会い でした。
会長の著書 『幸せな自由人とまじめな不自由人』 や 『神様のアドバイス』 に綴られた言葉は、医学を学んできた私にとって、まさに「もう一つの真実」を示してくれるものでした。
そして実際に会長から心理学を学ばせていただくなかで、私は「医学だけでは届かない領域がある」ということ、そして「人を支えるには、知識だけではなく 無条件の温もりが必要だ 」ということを、深く教えていただきました。
私が AS心理士 という立場でアセスメントの腕を磨き続けているのも、 会長というSV心理士のもとで学び続けてきた からこそです。
心の不調には、医学的な背景があります
医師として臨床に立ち続けてまいりましたなかで、私が一番お伝えしたいことがあります。
それは、 心の不調は「気の持ちよう」でも「甘え」でもなく、医学的・神経科学的な背景を持った現象だ ということです。
◆ 不安症
脳の中の 扁桃体・前頭前野・海馬・島皮質 などからなる「恐怖・不安に関わる神経回路」が過剰に働くことで、本来は危険ではない刺激にも警報が鳴り響いてしまう状態です。心の弱さではなく、神経回路の過敏化によるものです。
◆ うつ病
ストレスに対応する HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系) の慢性的な活性化、神経炎症、海馬を含む脳の構造的変化、神経可塑性の低下など、複数の生物学的メカニズムが重なって生じる、明確な医学的疾患です。意欲の低下や眠れない夜も、こうした身体の変化と切り離して考えることはできません。
◆ 発達特性(ASD、ADHD、LDなど)
脳の機能的・構造的な違いに由来するもので、決して「育て方が悪い」ものではないことが、近年の脳科学・遺伝学研究で明らかになっています。
――だから、医師として、AS心理士として、私はあなたにこう申し上げたいのです。
そのうえで、世界の臨床ガイドラインで効果が確かめられている エビデンスに基づく心理療法 を、それぞれの状態に合わせてご提供しています。
- 不安症全般 ―― 認知行動療法(CBT)、マインドフルネス認知療法(MBCT)
- 強迫症 ―― 暴露反応妨害法(ERP)
- うつ病・気分の落ち込み ―― 認知行動療法(CBT)、対人関係療法(IPT)、行動活性化療法(BA)
- PTSD・トラウマ関連 ―― トラウマ焦点化認知行動療法、EMDRなど
いずれも、国際的なガイドライン(NICE、APA等)で第一選択として推奨されている手法です。
あなたの状態とお気持ちに合わせて、ペースを何より大切にしながら、丁寧に組み立ててまいります。
「治癒」ではなく、「開花」を
医学の世界では「治癒」という言葉を使います。
けれど、心理カウンセリングにおいて、私は 「開花」 という言葉を使いたいと思っています。
硬く閉ざされていた蕾(つぼみ)が、適切な水と光を得て、その人らしい色で花開く――
そのプロセスを、医師として、そしてAS心理士として、専門的な視点から支え抜くことが、私の使命だと考えています。
そんな戸惑いを抱えたまま、どうぞ私たちの門を叩いてください。
白衣を脱ぎ、一人の人間として、あなたの物語を真っ向から受け止めます。
あなたが自分自身の「主治医」となり、誇りを持って人生の舵を握れるようになるその日まで――私たちは、あなたの知性と感性を信じ、どこまでも共に歩んでまいります。
中山 和子 プロフィール
| 氏名 | 中山 和子(なかやま かずこ) |
| 立場 | くぅぽの心理オフィスグループ 理事長 医師 AS心理士(アセスメント心理士) |
| 専門領域 | 医学的視点とアセスメントを活かした心理カウンセリング (脳科学・神経内分泌・エビデンスに基づく心理療法) |
| 師事 | 会長・稲津秀樹(SV心理士)のもとで心理学を学ぶ |
ふたりからの、お約束
会長・稲津秀樹は、 30年にわたる心理臨床の現場 と、 執筆活動を通じての発信 、 AS心理士・SV心理士という心理学の最高峰の立場 、そして 初期仏教の僧侶 として、 「自己受容」「無条件の肯定的関心」「安全基地」 といった心理学的な真実から、 「命の意味」 という根源の問いまで、人の心と生のすべてに、責任を持って寄り添ってまいりました。
その姿勢は、まさに 父親のような、深く揺るぎない包容力 に満ちています。
理事長・中山和子は、 医師としての医学的知見 と AS心理士としての心理アセスメントの専門性 を併せ持ちながら、 脳科学・神経内分泌・エビデンスに基づく心理療法 を駆使して、お一人おひとりの状態を多角的に見立て、確かな道筋を示してまいりました。
そのまなざしは、 母親のような、細やかで温かい慈しみ に溢れています。
そんなふたりが、 ひとつの想いだけは、まったく同じ です。
それは――
ということ。
会長の 「父性の慈しみ」 と、理事長の 「母性の慈しみ」 。
このふたつが、くぅぽの心理オフィスグループの両輪となって、あなたを支えます。
どうぞ、安心して、最初の一歩を踏み出してくださいね。
